酢屋の七十二候
かつて日本人は四季を二十四の節気に分け、さらに七十二の季節にわけ「候」と呼びました。その候ごとに移り変わる花や鳥、草木の自然に目を向け、暮らしの知恵としてきました。
季節ごとの風物詩を愛でながら、旬のものをお酢といっしょにいただく心地よさ。
そんな七十二候の季節に寄り添ったお酢のある暮らしを紹介した本ができあがりました。
酢てき発見。
酢には人を元気にするチカラがひそんでいます。美味しい暮らしを引き出す魅力にあふれています。庄分酢の有機玄米くろ酢と有機純米酢をつかった料理の本ができあがりました。
大川の地に三百年続く「庄分酢」の酢屋のくらしと酢づくりも素敵な写真とともにご覧いただけます。
高橋家に嫁いで、三十年のときがすでに流れました。
義母から受け継いだ伝統、家というものへの思い。代々引き継いできたお料理、季節のしつらえを次の十五代目へ。
今、食に溢れながらも本来の食卓を忘れたかのような、忙しい時代に生きる多くの方々に、古くから当たり前にあって、人々の健康を守り続けてきた調味料としてのお酢の本来の使い方、昔ながらの知恵を今に生かしたお料理を、ゆっくりとした時間の中での本来の食を、お酢屋の私達からお伝えできればという思いで、この本を作りました。
(庄分酢 高橋陽子)
いいものは変わらない、変えてはいけない。
先代たちが残してくれた記録にはいいものは変わることなく未来へ繋いでいってほしいという願いが込められています。
「酢屋の七十二候」は日本の発酵食品のひとつ「お酢」の奥深さや歴史にふれ、お酢のことをもっと知っていただき、 活用していただきたいという想いから本書を刊行することにいたしました。
随所に300年続く酢屋の季節のしつらえもすばらしい写真とともに掲載されています。
どうか母娘でお読みいただき日本のすばらしい食文化を次の世代にと繋いでいっていただければと思います。
(庄分酢 十四代目 高橋一精)